ふるさと納税の返礼品で湯河原の旅館で使える宿泊ギフト券をもらった。ぷらりっとこの際高級旅館に行ってみよう。海石榴…はさすがにギフト券があってもお高いので、少しリーズナブルな山翠楼を選んでみた。2日前だったが庭に露天風呂があるという部屋が取れた。
のんびり昼前に新宿からロマンスカーに乗って小田原へ。ビールとお弁当食べて、あっという間についちゃう。JRに乗り換えて、ちょっと乗れば湯河原駅。
狸だ。狸が湯河原の谷で見つけたのが湯河原温泉なんだそうだ。矢傷をいやしたお湯に感謝して、道に迷った人を温泉に案内したんだと。だから湯河原温泉で一緒に入ってるお客さんがいるな~と思ったらそれは狸かもしれません…。エエ、そうなの。鳥や鹿、猿は聞いたことがあるが狸は初めてだ。
湯河原駅の駅舎は工事中だったが、駅前には土肥ご夫妻の像が。地元にお邪魔します。
湯河原駅からバスにゆられて20分弱。バスは昼間は10分おきに出ていた。奥湯河原のバス停から少し下ると、宿があった。
ほほう、相模の小京都なのかあ。
宿の玄関には先客の車が一台。その対応をしているスタッフにどうぞどうぞと招かれて入ってみたらば、広間ですか?みたいな空間が広がっていたのであった。
建物をいろいろ建て増ししたようで複雑な構造だが部屋数が少なめなので静か。チェックインのとき2階のロビーに数組のお客様。
本日は桃山第という建物の、光琳。ひぃー、玄関が、すごく、遠い。なにこの部屋の前のベンチ的な…。お給仕のとき使うのかな。
部屋の玄関も広い。そしてキーホルダーもでっかい。なくせない大きさ。
お部屋は大きく分けて3つのエリアになっていた。洋室と言っていたのは昔の前室にあたるところかな。ダブルシンクと大きな鏡。寝室もやたら広い。トイレは二つ、庭の露天の他に内湯と洗面所があって、もうなにがなんだか。
今は北海道の野口観光がもっているので、北海道的なざっこくじゃがぽりんがお茶うけに。
紅茶や食器もそろっていたがあとでよく見たらコーヒーメーカーがあってフィルターもあるのに肝心のコーヒーの粉がなかったといううっかりさん。
いやー広いのはいいですなあー!陽がまぶしいけどまずはタンタンのお風呂。
どんぶらこ~。ヒノキの香りがします~。
失礼して床の間にもあがってみた。
ひざかけが用意されていたのがうれしかった。温泉入った後足が冷えるのがつらいからコーヒーの件がこれで相殺されたのであった。
館内散策。桃山第の一番上にラウンジがあり、コーヒーやお茶がフリーになっている。
こーれーはすばらしい新緑が見れますなあ~。静かだしいいなあ~。
お風呂は1階と、展望風呂がある。展望風呂は昼間は男湯だというので、私は日焼けしながら部屋の露天に意地のように入っていた。
お部屋でWi-Fiがつながりやすいのが、山に囲まれた宿にしては珍しいなあと思ったのであった。翌朝展望風呂に入ったら巨大なアンテナもいっぱいたっていて、納得。
ひと眠りしたところで、お夕食。旅館らしく部屋食でござーい。
5月なのでまだ春の御献立「花宴」とタイトルがついていた。宴会じゃー。
野口観光が買う前は「ゆば懐石山翠楼」と名乗っていただけあり、湯葉が名物のようだ。おお、でっかい湯葉。見事じゃ。しかも厚みがある。
前菜はのぐちファームらしく時折北海道物が顔を出す。ピンク色のお花はユリ根なんだけどこれは十勝産。お寿司になってるサーモンは棒鮨で、釧路産。テリーヌは三島野菜のものだった。揚げ物は沼津産のめひかり。食べながら移動距離を考えるのであった。
お造りはいろいろのってて楽しかった。さすがにこれは桜鯛をはじめ、ほとんどが駿河湾産。タコは利尻だった。
焼津の初ガツオがでてきたのはうれしかった。しかし薬味のネギが、このステータスの旅館にしては淋しい状態でちょっと驚く。乾燥ネギなの…?なにかの間違いがおきたのであろう。
わさびはもちろん天城の本わさび。香りがよくて後味が甘い。
お椀がとてもよかった。サクラエビの真丈。合間にメニューにはない、料理長からのじゃがいもバター蒸し。筍はアイナメと一緒に若竹煮。どれもお上品。
で、ここで「かながわブランド やまゆり牛」のご登場。しゃぶしゃぶで。神奈川県産のブランド牛で味は和牛、価格は乳牛、というのがキャッチフレーズ。柔らかく、牛くさい感じがしゃぶしゃぶにしてもあまり残らず食べやすいな~という印象だった。こう考えると十勝牛の力強いことよ。
餡でおおわれているのは山翠楼名物三ケ日三段肉の吉野仕立て。大変に、とっても、お上品な角煮でござる…。
さて、ご飯。お米は渡島産と書いてある。おお、北海道か。と思ったらゆめぴりかだった。こんな土鍋で炊いて持ってきてくれるのでうれしいおこげがちゃんとできているのだった。
赤だしのお豆腐が湯河原銀豆腐…箱根銀豆腐とはまた違うのか。お漬物もおいしくて、ゴボウがとても好みであった。これ朝食にも出ないかなあ。
デザートはイチゴレアチーズケーキ、抹茶ロールケーキ、フルーツあんみつの豪華3種盛り。もうおなかいっぱい。でも数歩あるけばベッドがある。シアワセ。
ところでいろいろ不思議だったのだが、コーヒーの粉は持ってきてくれたのでいいんだけど、お給仕の時寝室を通らなくていいように前室のふすまをあけ、寝室は閉じておいたのだがそれをわざわざあけて寝室を通って来たのだった。前室から入ってもおかしくない構造だし、広いし、なんだろうねあれ、寝室通らなくていいなら通らないよね普通、とひとしきり検討するが分からぬ。そういう教育してるんだろか。
また料理の説明もあっさりしていてそれはいいんだけど老舗旅館を期待してきた人にやや不評なレビューがあったのもその辺の手厚さが合理化されているからかもしれぬ、と夜の露天に入りながら勝手に考えたのであった。
このお庭のライト、実は暗くなってもつかなくて、センサーじゃないの?真っ暗になったらつくんじゃないの?と思ったが夕食が終わってもライトはつかず。部屋にそれらしきスイッチもなく。
デザートのお皿を片づけに来た時にお庭のライトつけて、と頼んだらお部屋にスイッチがないか探してそれから確認に行き、二つほどいい感じにつけてくれました。
この時期は虫もまだ少ないしいいよね。もちろんすくうための網も用意されておるのだった。ここにシャワーもあるので小さな内湯は使わなかった。
さて、この桃山第が作られたころ張り切って撮影したらしき宿の写真集が部屋にあったので、ぱらぱらと見てみると…おっ、玄関や1階のお風呂はほとんど変わっていないようだ。
上が写真集、下が現在。写真撮ったお部屋、ここかなあ?なんて思ったりして。
今露天風呂があるところは全部がお庭で、月見台のようなものがあったんだ、ということが分かった。
上が写真集で、下が今の露天のあるところ。踏み石などはそのままみたい。
で、2杯いただいて、おやすみなさい~ふっかふか~。
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