6時起床。朝風呂。大浴場の内風呂に入るとぬるいお湯の中にシュワシュワとしたものを感じる。白い湯の花もいっぱい。
露天風呂のほうを窓からのぞくといくつか岩風呂のような湯船があるが、お湯が入っているのは一つのみ。肌寒いし温泉の温度もぬるめなので今回は内湯であったまることにする。
たまたま一緒になった年上マダムと温泉談義。お住いの山口県から毎月どこかに行っているそうだ。うらやましい。うちも毎月行ってる感じになってるけど、もう仕事してないから思い立った平日に行っちゃうのというところがとてもうらやましい。
別府の立ち寄り湯はどこがいいですかと尋ねると、行ったことないなら鉄輪は外せないかな、別府は源泉がいっぱいあるのでおもしろいですよと教えてもらう。さすが余裕のある方は断定的なお勧めの仕方をしない。勉強になった朝風呂であった。
朝食。昨日の夕食の宴会場ではなく日帰り湯のときランチも出しているらしいお食事のところへ行く。焼き魚、焼き野菜は顔を見てから焼きたてを持ってきてくれる。おひつにご飯がぎっしりと。
窓から見える川沿いに小学生たちがランドセルを背負って登校していった。それを眺めながらもぐもぐ。二人が走っていたので遅刻しそうな時間かと思ったが、その後悠々と歩いていく数名もいて、何時が1時間目なのかよくわからない。まさかのフレックス制か。それともランナーだったのか。
お豆腐はあつあつ、温泉卵はとろとろ。味に不足なし。
さらにヨーグルトがついていた。和食なのにうれしいな。これにシリアルやドライフルーツがのっかっていた。
自由にお飲みくださいのコーヒーもあった。大変失礼ながら、なんだか見かけの素朴さとは違うイメージの、気の利いたところなのである。これ誰が考えてるのだろう。すばらしい。
かじか庵すぐ近くのたちより湯、ラムネ温泉へ。この顔いいなあ~。南伸坊作。
屋根から松の木がにゅっと生えてる、黒板塀の不思議な建物群は藤森氏の作。
温泉はまさにシュワシュワ。そして水か、というくらい低い温度。なので内湯の温泉であったまってから露天のラムネ温泉に入る。が、シュワシュワの一番多くでる湯口は最初のお客さんが陣取っており…、それでも湯船全体がシュワシュワで、じっとしてると肌にぷつぷつ…と細かい泡がつく。初めて見たときはギャッ鳥肌ッと言ってしまった。ダイエット効果もあるそうで、その看板を見た二人組のおねーさんが「どんくらい入ればいいんだろう。それにしても寒い」と言っていた。
常連のマダムは不思議なストローハットをかぶっていた。夏は紫外線をさけ(いちおう、テントのような布は頭上に張ってある)冬は寒さをしのぎ、雨の日は雨露をしのぐことができて必需品なんだそうだ。ちなみに手作りだそうだ。そんな話を聞きながら入っているとじんわりあったまってきたが、何時間もいる余裕がないので、適当なところであがった。
受付のある待合は懐かしい風情に仕立てられていた。
ここには猫がきままに住んでいた。窓越しにうろうろとこちらを見ていて、餌場が中にあったので飼い猫かなと思ってドアをあけてやるとするっと入ってご飯を食べ始めた。
こちらもラムネ温泉サイダーと…
ラムネ温泉饅頭を。
その後もう一匹登場。なんでもここでは地域猫として何匹か猫を住まわせているとのことだった。牛乳とラムネの冷蔵庫の間の排熱があったかい、隙間にちゃっかり入って毛づくろい。
土産物も充実。タオルと風呂敷、Tシャツを購入。全部この顔が付いてる。気が抜けるぅ~。
今度は真夏以外のあったかい季節に来たいと思った。じっとしてればたしかに中からあったまるんだけど、外気温が低いとそこまでいくのに時間がかかりすぎる。サウナとラムネ温泉を往復していたお姉さんがいたが「忙しいわ」と笑っていた。
では、ちょっとだけ熊本県に足を突っ込んでみよう。
鍋ケ滝。ちょっと不思議なくまモンがいた。
駐車場からきれいに整備された遊歩道を下っていく。階段もあるのでらくらく行ける。
水のカーテン!
到着。確かにカーテン。足元は水浸しになるのでしっかりした靴で行きましょう。
この水量すごいなあ。音もすごい。なに言っても聞こえない。
くまモンが裏側に行けるモン!といっていたので滝の裏側に来てみた。上の岩から水がぼたぼた垂れてくる。裏側のほうが幅が広いが、とにかくぼたぼたポイントがあるのでいられる場所は限られる。くまモンよく平気な顔してここで撮影してたなあ。
で、裏側を通って反対側に来てみた。さむい。さぶっ。ここは夏に来るべきだ。
最後にシャッタースピードを変えて、カレンダー風に撮影。
お昼は想夫恋(そうふれん)玖珠店へ。元祖日田焼きそばとミニ餃子のセット。
もやしが多くしゃきしゃきした印象の焼きそば。濃い目のソース味がぴったり。くせになるというのが分かる。餃子もパリッ、中身しっとりでたいへんけっこうでした。この焼きそば、作れるようになるまでいろいろと大変な修業が必要らしい。ありがたや。
近所にないかなと調べたら関東では横浜だけだった。
次は絶景。耶馬渓へ向かった。こんなすごい岩の風景が続々と。
珍しい風景が大迫力で迫ってくる。ひたすら、口を開けて見上げるのみ。
ここは観光バスも来るので人もたくさんいて土産物も多かった。
やる気満々の土産物の中、みかんをもぐもぐしながら店番をしていたのんびりマダムのところでカボスを買う。100円で20個以上入ってた。このカボス…黄色い…?と買ってから気付いたのだが、黄カボスというものがあって、枝につけたまま熟成させて収穫すると黄色くなって甘くなるとのこと。
確かにすっぱいんだが、明らかに甘い。しぼってお湯を少し入れただけでも飲める甘さだった。しかもジューシー。これまた食べたい。なかなか東京にまでこないようだが。
少し先に行くと本耶馬渓。
新三景の碑、またも東郷さんが書いてる。明治の英雄。しかしこの探勝道は大変そうなので楽な方をいかせていただく。
羅漢寺に参拝に行くには昔は危険な山のぼりをしなければならなかったのだが、難所で転落する人々を見て(もちろん助からない)仰天した僧侶が安全な道を掘ることにした…という気の遠くなるような話。お坊さんは通りすがりというか、旅の途中だったんだが掘削事業のためにこの地に住み、道が出来た後もこのあたりに住んでここで生涯を終えたのだそうだ。
小説「恩讐の彼方に」のモデルになってるんだけどこれはけっこうフィクションが入ってるらしい。まあ小説だもんね。
このように手彫りで始めたのだそうだ。あんな高いところ歩くの怖いもん、安全な道、万歳。
こちらが、手彫りの跡が残っているところ。ひぃい…。
あかり窓。この脇に間違えて掘り進みそうになっちゃったところがある。そこやっちゃうと川にどぼん、だったそうで気付いてよかったよ。ほんとよかった。
今は青の洞門と呼ばれるようになっている。その信念に圧倒されるのであった。
以前はどこかの保養所だったところをリノベーションしたそうで、入り口の感じや部屋の造りはそれっぽい。でもきれいにしてあり問題なし。離れの部屋がたくさんあるが、我々は本館の方を選択。
お風呂も離れの方にも何か所かあるようで、我々には本館専用の貸切湯と1階の大浴場がありますとのこと。
じゃまず予約できた貸切湯でどんぶらこ~、青湯と言われるように角度によっては薄い青に見えるお湯。たいへんになめらか。嬉野にちょっと似てる。あそこまでとろっとしてないけども。十分すべすべになるお湯。
夕食は本館前にあるレストラン棟へ行く。個室になっていた。
食前酒は巨峰カクテル、先付のゴマ豆腐をつまみに乾杯。
このジンジャーエール初めて見たので飲んでみた。辛口で生姜が濃くってよろしい。
ふすまになにやらかわいいイラストがあったり、名産の竹を使った照明を使っていたり、工夫された食事処だった。
膳彩と献立に書かれていたお皿。いろーんなものがのっていて楽しい。ウニカナッペ、〆サバ、カマンベール味噌漬け、無花果ゼリー、鴨肉などなど。茄子の煮物は茄子オランダという名前がついていた。
お吸い物はむかごの真丈が入っていた。むかごが上品になって…。
お造りは鯛。お醤油はジュレを固めてあり、醤油のみ、柚子入り、梅醤油、など全部味が違う。これをお刺身で包んで食べて下さいと。おもしろい。これ初めてだった。ジュレ状のゆるっとした醤油は食べたことあったけど。
お肉は石焼で。豊後牛。豊後牛は神戸牛に負けない柔らかさと脂のノリ。ジュワー。おいしいに決まってる~。
煮物として出てきたのはなんとフォー麺だった。なんとも意外で楽しい。つるりん。
こちらも、いただきました。
お肉もう一つ、豚肉。特製だれでばくばく食べる。
紅こちのから揚げ。ここでも大分県の揚げ技術がすばらしく、外カリッ中ふわっ、そして油っこくないのだった。
ご飯、ゴボウの味噌汁でもう満腹。といいながら栗のブラウニーのデザートまでしっかり平らげた。ごちそうさま~。
食後、少し休んでから大浴場へ。夜の露天風呂だったけど紅葉がライトアップされ、しかも誰も入ってこないので悠々貸切。得した気分で、ばたりと寝る。
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